ブログ
BLOG
肩甲骨のトリガーポイントの3つのほぐし方

執筆者:小野祐輔
癒し人代表・柔道整復師
肩甲骨は、トリガーポイントが集中しやすい箇所です。多くの筋肉が集まっており、日常生活のあらゆる動作に関わっているため、どうしても凝りやすくなってしまうのです。しかし、肩甲骨は手が届きにくく、ほぐしにくい箇所でもあります。今回は、肩甲骨のトリガーポイントの3つのほぐし方を整体師が解説します。肩甲骨のトリガーポイントの放置リスクも解説するので、ご参考にしてみてください。
コンテンツ
肩甲骨のトリガーポイントはどこにある?
肩甲骨のトリガーポイントは、外側よりも内側にできやすい特徴があります。肩甲骨と背骨との間の内側には、肩甲骨を背骨に引き寄せる働きを持つ「菱形筋」や、肩甲骨を上に引き上げる「肩甲挙筋」があるからです。猫背の方や長時間のデスクワークが多い方は、これらの筋肉が硬くなりがちになります。
筋肉が硬くなると血流が悪くなるため、トリガーポイントがますます増えてしまうという、悪循環に陥ってしまう可能性があるのです。また、肩甲骨の上部や下部にも、トリガーポイントは発生します。肩甲骨周りには多くの筋肉が重なり合っているため、トリガーポイントができやすい箇所が多く存在します。ご自身の肩甲骨周りを触ってみて、押すと「ズーン」と響くような痛みを感じる箇所があれば、そこがトリガーポイントかもしれません。
トリガーポイントは硬いしこりのような存在であるため、解消しようと強く指圧しがちですが、過度な力を加えると却って悪化してしまう恐れがあります。少しずつ時間をかけて解消させていくイメージで、優しくリラックスしてほぐすことが、症状緩和の秘訣です。
【整体師が解説】肩甲骨のトリガーポイントの3つのほぐし方
肩甲骨のトリガーポイントは、テニスボールやバスタオルを活用するとほぐしやすくなります。手が届きにくい箇所ですが、指で刺激するセルフケア方法もあります。肩甲骨のトリガーポイントの3つのほぐし方を解説します。
テニスボールを活用する
肩甲骨の内側にあるトリガーポイントは、指が届きにくいため、テニスボールを活用してほぐすのがおすすめです。テニスボールを活用した肩甲骨のトリガーポイントのほぐし方は、以下のとおりです。
- ベッドや床に仰向けになり、トリガーポイントがある箇所にテニスボールを当てる
※テニスボールが肩甲骨の骨に直接当たらないように調整しましょう - テニスボールを当てたまま、ゆっくり体重をかけて優しく圧迫する
※痛みが強すぎる場合は、膝や肘を立てて体重のかけ方を調整しましょう - 圧迫した状態で、ゆっくりと深呼吸をしながら30秒ほどキープする
慣れてきたら、テニスボールを当てたまま身体を少し動かすと、より効果的に筋肉がほぐれます。やりすぎはよくないため、長時間連続して刺激しないように気をつけましょう。
反対側の手を使ってほぐす
肩甲骨の上部など、手が届きやすい箇所であれば、ご自身の指を使ってほぐすこともできます。ご自身の手を使った肩甲骨のトリガーポイントのほぐし方は、以下のとおりです。
- トリガーポイントのある箇所の反対側の手を肩の向こう側に回し、指先でスポットを探す
例 右側の肩甲骨周りをほぐしたい場合は、左手を肩の向こう側に回す - トリガーポイントが見つかったら、指の腹を使って優しく圧迫する
- 圧迫した状態で、首をゆっくりと反対側に傾けたり肩を回したりして、筋肉を伸ばす
指圧のポイントは、「痛気持ちいい」と感じる程度の力加減で取り組むことです。指が疲れてきたら無理をせず、休憩を挟みながらほぐすようにしましょう。
バスタオルで伸ばす
肩甲骨周り全体の柔軟性を高めて、トリガーポイントの緩和を目指す方法として、バスタオルを使ったストレッチがあります。バスタオルを活用した肩甲骨のトリガーポイントのほぐし方は、以下のとおりです。
- バスタオルを丸めて棒状にする
- 背中の中央にバスタオルを横向きに置き、その上に仰向けに寝る
- 腕を頭の上で組み、背中を大きく反らすように伸ばす
- 胸を開くように、ゆっくりと深呼吸をしながら1分ほどキープする
- 3〜5回ほど繰り返す
このストレッチ方法は、肩甲骨の可動域を広げるため、猫背の改善にも効果的です。筋肉が緩むことで、トリガーポイントへの負担軽減も期待できます。
肩甲骨のトリガーポイントの放置リスク
肩甲骨のトリガーポイントを放置すると、痛みや不調が慢性化し、日常生活にさまざまな支障をきたすリスクがあります。トリガーポイントが硬質化すると、肩甲骨の動きがさらに悪化し、猫背や巻き肩といった姿勢の悪化につながります。姿勢が悪くなると、首や肩や背中の筋肉に常に負担がかかった状態となるため、肩凝りや頭痛、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。
また、手脚のしびれや冷え、呼吸が浅くなるといった、自律神経系の乱れにまで影響を及ぼすことも少なくありません。肩甲骨のトリガーポイントは「小さいから」、「ちょっとした痛みだから」と軽視せず、深刻な不調へと発展する前に、早めのケアで対処することが大切です。
肩甲骨のトリガーポイントには早めに対処しよう(まとめ)
肩甲骨周りはトリガーポイントができやすい箇所であり、放置すると姿勢の悪化や肩凝り、頭痛、めまいなどさまざまな不調を招くリスクがあります。しかし、手が届きにくい箇所であるため、セルフケアが難しいと感じる方も少なくありません。そこで有効なのが、テニスボールやバスタオルを活用したほぐし方です。テニスボールを当てて体重をかけたり、丸めたバスタオルを背中に敷いてストレッチすることで、肩甲骨の内側や全体の筋肉を効果的に緩められます。
また、反対側の指を使って「痛気持ちいい」程度の力加減で、直接ほぐすことも大切です。セルフケアで改善しない場合は、浅草橋の「癒し人」のような整体院(当院)でプロの施術を受けることもおすすめします。専門家による筋膜リリースや鍼灸を組み合わせることで、根本的な原因にアプローチし、頑固なトリガーポイントや慢性的な不調を解消に導くことができるからです。まずは自宅で気軽にできるセルフケアに取り組み、改善がみられない場合は整体など専門家へのご相談もご検討ください。
今日のポイント
- 肩甲骨のトリガーポイントは外側よりも内側にできやすい
- 肩甲骨のトリガーポイントの3つのほぐし方は「テニスボールを活用する」、「反対側の手を使ってほぐす」、「バスタオルで伸ばす」
- 肩甲骨のトリガーポイントを放置すると痛みや不調が慢性化し、日常生活にさまざまな支障をきたすリスクがある