ブログ
BLOG
背中のトリガーポイントのほぐし方は?場所はどこ?整体師が解説

執筆者:小野祐輔
癒し人代表・柔道整復師
背中のトリガーポイントは、広く分布しています。広範囲に複数発生しやすいため、見つけたら早めに対処することが大切です。とはいえ、背中のトリガーポイントには手が届きにくいため、自分でマッサージでほぐすのは少し難しいかもしれません。セルフケアをするのであれば、背中全体やトリガーポイント付近をほぐせるストレッチがおすすめです。
今回は、背中のトリガーポイントのほぐし方を整体師が解説します。背中のトリガーポイントの場所や放置すると起こることについても解説するので、ご参考にしてみてください。
コンテンツ
背中のトリガーポイントの場所
背中には、肩甲骨周りや背骨の両脇など、多くの筋肉が複雑に重なり合っています。トリガーポイントができやすい場所は複数ありますが、特に肩甲骨の内側、肩甲骨の上部と下部、背骨の両脇にはよく発生します。肩甲骨の内側、肩甲骨の上部と下部、背骨の両脇は、猫背や長時間のデスクワークなどによって筋肉が硬く緊張状態になるため、トリガーポイントを誘発してしまうのです。
ご自身の背中を触ってみて、ごりごりとしたしこりがあったり、硬く盛り上がったりしている部分があれば、そこがトリガーポイントかもしれません。背中の中央周辺はご自身の手が届きにくく、トリガーポイントを発見しにくいため、ご家族やご友人、整体師など専門家に触ってもらい判断しましょう。
背中のトリガーポイントのほぐし方4つ
背中のトリガーポイントをほぐすためには、筋肉を縮めてから緩めたり、大きく肩甲骨を動かしたりすることが大切です。押圧と深呼吸を組み合わせる方法や壁を使ったセルフストレッチ方法もあります。背中のトリガーポイントのほぐし方4つを紹介します。
筋肉を縮めてから緩める方法
トリガーポイントは、筋肉が常に緊張している状態に陥ることで形成されます。一度筋肉を縮ませてから緩めることができれば、リラックス効果が高まり、凝りのほぐれにつながるでしょう。筋肉を縮めてから緩めて背中のトリガーポイントをほぐす方法は、以下のとおりです。
- 椅子に座って両手を前で組む
- ゆっくりと息を吐きながら背中を丸めて、組んだ手を前に伸ばす
※肩甲骨が左右に開くのを意識する - そのままの姿勢で5〜10秒キープして、ゆっくりと元の姿勢に戻る
- 3〜5回ほど繰り返す
やってみると、とても気持ちの良いストレッチ方法です。トリガーポイント周辺だけでなく、背中全体をほぐすことができます。
大きく肩甲骨を動かす方法
背中の肩甲骨周りの筋肉は、日常生活で同じ姿勢を続けることで硬質化します。大きく肩甲骨を動かすことができれば、トリガーポイント周辺の血行が促進され、筋肉の柔軟性を取り戻すことができるでしょう。肩甲骨を大きく動かして背中のトリガーポイントをほぐす方法は、以下のとおりです。
- 楽な姿勢で立ち、両腕を肩の高さまで上げて、肘を直角に曲げる
- 両肘をできるだけ背中の中心に引き寄せるように、ゆっくりと動かす
- 両肘を前に突き出すように動かし、背中を丸める
- 3〜5回ほど繰り返す
肩甲骨の可動域を広げ、背中全体の凝り解消を目指すほぐし方です。立たずに椅子に座った状態でもできるため、仕事の休憩中などに取り組むのもおすすめです。
押圧と深呼吸を組み合わせる方法
背中のトリガーポイントは、テニスボールやマッサージボールを活用すると、アプローチしやすくなります。トリガーポイントに圧をかけながら、深呼吸を組み合わせれば、より効果的に筋肉を緩められます。指圧と深呼吸を組み合わせて背中のトリガーポイントをほぐす方法は、以下のとおりです。
- 床に仰向けになり、トリガーポイントにテニスボールやマッサージボールを当てる
※ボールが背骨の骨に直接当たらないように調整しましょう - ボールの硬さと丸さを利用して、気持ち良いと感じる程度の強さで圧迫する
- その状態でゆっくりと深い深呼吸を数回おこなう
テニスボールやマッサージボールを活用すると、手が届かない箇所のトリガーポイントに直接アプローチできます。深呼吸には自律神経を整える効果もあるため、心身のリラックスにつながるでしょう。
壁を使ったセルフストレッチ方法
壁を使って、背中のトリガーポイントを刺激するストレッチ方法もあります。特に、肩甲骨の外側や上部にあるトリガーポイントをほぐすのにおすすめな方法です。壁を使って背中のトリガーポイントをほぐす方法は、以下のとおりです。
- 壁の前に立って両手を壁につける
- 壁に手をついたまま身体を前に倒し、頭を腕の間に入れて背中を丸める
- 肩甲骨を左右に開くように意識しながら、背中全体の筋肉をゆっくりと伸ばす
- 気持ち良いと感じる場所で30秒ほどキープする
- 3〜5回ほど繰り返す
マッサージグッズなどがなくてもできる、セルフストレッチ方法です。肩凝りや頭痛の改善にも、効果が期待できます。
背中のトリガーポイントを放置すると起こること
背中のトリガーポイントを放置すると、周辺の痛みや凝りだけでなく、全身の不調へとつながる可能性があります。硬くなった筋肉は血管や神経を圧迫してしまうため、血行不良や自律神経の乱れを引き起こすこともあるのです。最終的に、慢性的な疲労感や冷え、不眠などの症状が表れることもあります。また、背中の筋肉が硬くなると、姿勢が悪化し、猫背や巻き肩になりやすくなります。
姿勢の悪化は肩甲骨の動きを鈍くさせ、頑固な肩凝りや頭痛、首の痛みを誘発します。さらに、背骨のバランスが崩れることで、腰への負担が増大し、腰痛やぎっくり腰のリスクも高まります。背中のトリガーポイントを発見したら、早い段階で対処することが大切です。深刻な不調が生じる前に、まずは気軽にできるセルフケアから始めてみましょう。
背中のトリガーポイントは放置しないことが大切(まとめ)
背中のトリガーポイントは、放置すると姿勢の悪化や全身の不調につながるため、日頃からほぐすことが大切です。手が届きにくい箇所ですが、セルフケアでも効果的にアプローチできます。椅子に座って背中を丸めたり、両肘を引いて肩甲骨を大きく動かすストレッチは、背中全体の血行を促進し、筋肉の柔軟性を取り戻します。
また、テニスボールやマッサージボールを当てて深呼吸をすることで、ピンポイントでトリガーポイントに圧をかけることもできます。壁を使ってストレッチすれば、背中全体の筋肉を効率良く伸ばすことも可能です。これらのセルフケアで改善しない場合は、整体師に相談し、専門的な施術で根本からケアするのもおすすめです。
今日のポイント
- 背中のトリガーポイントは肩甲骨の内側、肩甲骨の上部と下部、背骨の両脇にできやすい
- 背中のトリガーポイントのほぐし方4つは「筋肉を縮めてから緩める」、「大きく肩甲骨を動かす」、「押圧と深呼吸を組み合わせる」、「壁を使ってセルフストレッチする」
- 背中のトリガーポイントを放置すると周辺の痛みや凝りだけでなく、全身の不調へとつながる可能性がある